太平洋炭坑 １９８３・８

思えば鉄道の歴史は運炭の歴史でもあった。
英国で生まれた鉄道の最初の使命は石炭を運ぶことだった。北海道の鉄道も炭坑から港へのスタートだった。
国のエネルギー政策の転換で次々と炭坑が消えてゆき、石炭を運ぶ鉄道は過去のものとなりつつあった。

太平洋炭坑専用線はかつては釧路臨港鉄道といい、旅客営業も行っていた。
個性的なＤＬたちが活躍する、最後に残った運炭鉄道のひとつだった。
限られた時間での訪問だったので、走行シーンは見られず、春採で止まりを写しただけだった。
撮影日 １９８３年８月２６日

　　
ロッド式のＤ３０１とＤＤ１３タイプのＤ７０１。
Ｄ３０１はホッパー下に入るため屋根が平らになっています。まぶたのついたライトがチャームポイント。
Ｄ７０１も離れたライトの位置で個性をだしています。

　　
Ｄ１０１ こちらもＤＤ１３タイプながらロッド式です。 Ｄ２０１はＤ３０１と同じく低い屋根、
前面のひさし、電気連結器付き密着自連装備の主力機です。

　　
Ｄ４０１ ロッドの赤がチャームポイント。 　ＤＥ６０１ 私鉄・専用線唯一の電気式ＤＬ。残念ながら検査中でした。

　　
怪しげなラッセル。形式はあるのでしょうか？　　 セキ６０００ 足回りに注目。連接車です。


太平洋炭坑は文字通り太平洋の下にある海底炭坑だ。
春採から積み出し港の知人まで、ＤＬを前後につけてセキをつらねた「シャトルトレイン」で運ばれていた。
地上の坑口から春採までは電化された専用線がのびていた。
春採の裏手から伸びるこの専用線は、ノッポのＥＬに引かれた坑車が走り回るナローのワンダーランド、
番外地の鉄道だった。



　　

　　
石炭を満載した列車と空車が行き交います。この写真、裏焼きではありません。右側通行です。

　　　
両端はループになっていました。ドアのないサイドはちょっと不気味です。