荒川車庫では毎年6月の路面電車の日、10月の荒川線の日に近い日曜日に車庫公開が行われる。
2008年6月7日の公開日の後、謎のブルーシートに包まれた車体が車庫の片隅に置かれていた。
以下2点6181様ご提供 2008年6月15日撮影
裾から黄色の車体色が見える。
この丸みはどう見ても6000の系列、オデコの出っ張り具合は大型方向幕(羽深式)のようだ。
この謎の車両、公式アナウンスがないこともあり各所の掲示板ではその正体の推測が話題となった。
やがて9月27日荒川線の日車庫公開で展示されると公式サイトで告示された。
謎の車両の正体は6086号、荒川線ワンマン化まで活躍した1両でその後個人宅に保存されていたものだった。
以下撮影日 2008年9月27日
当日掲示された6086が荒川車庫に到着するまでの経過を知らせるボード。
この車両の移転には多くの鉄道車両の保存に努め、鉄道史研究でも今後を期待されながら
6月14日の岩手・宮城内陸地震で遭難され不帰の人となった鉄道博物館学芸員 岸氏の尽力があった。
最後まで残った6152が末期は緑のツートンだったため、久しぶりに黄色に赤帯の6000が帰ってきた。
方向幕、系統板は時折変更された。
前面窓に貼られたシールもそのままの状態だ。
レールの上を移動させるため、台車回りには徹底して注油されたという。
サビも出ているが、個人で30年間保存されていたことを考えれば状態の良さには驚くばかりだ。
今回の展示にあたってビューゲルを上げるので、安全のためここだけはストック品と部品交換したとのこと。
荒川線の最新車9001と黄色の6000の並びが見られるとは誰も想像していなかったことだろう。
展示終了後の格納は職員さんの人力で移動。
トラバーサーに乗り、検修庫の奥に格納された。
交通局は今後の6086の扱いはこの時点では不明としていた。
動態は無理としても岸さんの志を継いで大切に保管して行って欲しいものだ。
2011年7月追記
その後荒川車庫で修復が行われ、車庫公開時に展示され
2011年7月〜9月には江戸東京博物館での東京の交通100年博で展示された。
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