黄荊溝
huang jing gou
一往復の石炭列車
四川省成都の南東、黄荊溝の街から伸びる専用線。
肥料工場への石炭輸送に早朝一往復の蒸機牽引列車が走っていた。
撮影日 2005年3月19日
早朝6時、黄荊溝のポッパー線から貨車を引き出すC2。
この専用線の撮影は非常に厳しい。
黄荊溝の街中、市場の立つ広場を横切って専用線が延びている。
手前に見えるのは大八車に乗った豚。
黄荊溝から工場まで約6km。
工場では低速で通過しながら貨車から石炭を落としてゆく。
その作業が終わるとすぐに機回しされる。
行きは工場に向かって下りこみの逆向き牽引。
帰りは空車ながら前向きでほぼ全線上り一方なので撮影には向いている。
工場を出て黄荊溝に戻る列車。
路線は道路と平行して谷合いを進む。
列車には貫通ブレーキがないため、数人のブレーキマンが添乗している。
中央の棒を持った女性は、貨車の石炭を落としおこぼれを頂戴しようとしている人。
一番のハイライト、カーブした雄大な鉄橋。
さらに加太風の大築堤へ。
広場では朝市がすでに始まっていた。
この中央を列車が通過する。
汽笛を鳴らしながら列車がやってきた。
列車が通り過ぎたあとはこのとおり。
ヤードに到着すると列車は2分割され石炭の積み込みが行われる。
一反引き上げ線に入れ左手のホッパー線に押し込んでゆく。
ホッパーから貨車に積まれる石炭。
機関車はすぐに切り離され機関区に入ってしまう。
機関区は立ち入り禁止。外から望遠で覗いた1枚。
ヤードに留置されていた貨車。
単車の客車も留置されていたが、なぜか車内には石が積まれている。
もう一両の客車は足回りを取られてこんな状態。
さらにもう1両客車がいる。これは今でも使われているらしい。
早朝に表にでていたが戻ってきたときには機関区の奥に突っ込まれていた。
一往復の列車を撮って戻ってきてもまだ9時前。
朝市はいよいよ活気に満ちていた。
おまけ
帰りがけの駄賃に
このまま成都行きのバスが出る威遠に戻っても早すぎるので
途中でバスの車窓から見えたトロッコ路線に立ち寄った。
道路から見えるズリ捨て場。
ズリ捨て場へはケーブルで炭住の間をトロッコが上り下りしている。
ケーブル線に沿って降りてゆくとやがてこんなところに行き着いた。
作業場の屋根が中国的だ。
威遠のバスタミーミナルの時刻表。一番上が黄荊溝行き、一日54本運転だ。
この専用線は地方政府から補助金が出るため細々と運転されていたという。
毎年廃止という話が出ていたが、とうとう2007年5月に廃止された。